2016年4月19日火曜日

極楽鳥が気になる





鳥は求愛するときにダンスをすることはよくあるのですが、
なかでも『カンザシフウチョウ』をいう極楽鳥は、
そのダンスステージを自ら演出します。
自分の周りに散らかっている落ち葉をくわえてはせっせと端に寄せ、
持ってきた赤い実をぽろぽろと散りばめて彩り、
仕上げに葉っぱをくわえて
雑巾のように木の枝をきゅっきゅと磨けばステージの完成。

彼は、一呼吸おくとゆっくりと羽を広げ、
胸に潜めていた光る虹色の部分を見せながら踊り出します。
首を上下に振ったり、バレリーナのようにゆらゆらと左右に揺れたり、
なんて素敵すぎるコンテンポラリーダンス。嘘みたいだけど本当です。
こんなことを本能でされては、
グラフィックデザインのお仕事をする自分としては、
日々頭を使ってあれこれ考えて美を追求したりとか、
もう全然かなわないじゃんという敗北感でいっぱい。極楽鳥に嫉妬です。
地球には、そうやって人間の手なんか全然届いていない世界が溢れていて、
頭を使ったり機械に頼ったりしても、その美しさや強さは次元を越えています。

先日の大きな地震で、
私たちは手のつけようのない自然の怖さに直面しています。
不安や祈りが入り混じって心が落ち着かないけど、
地球の上でこれからも生活するために、
次の世代の人たちも穏やかに暮らせるために、
生活の仕方や仕事の仕方、自分ができることをもっと考えていきます。
そして今は、必要とされるもの、喜んでもらえるものを、
淡々と作り続けようと思っています。

震災にあわれたみなさんがゆっくり心休める時間が、
少しでも早く来ることを願っています。


川原由美子

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