2016年10月11日火曜日

街の催しもよし


思っていた以上に楽しかった日は、
寝床につくとき、より一層の嬉しさがこみ上げる。




今住んでいる大阪の池田市は、実は落語の街。
先日から商店街の入り口に掲げられていた
「社会人落語 日本一決定戦 開催!」の垂れ幕は、
買い物へ行く度に目には止まっていて、
当日、あまりにも気持ちのいい秋晴れの空に誘われ
興味本位で行ってみることに。



今年で8回目となるらしいこの大会。
拍手とともにどん帳があがり、池田市長の挨拶、
そして審査員長である桂文枝師匠の開会宣言で幕開け。
全国284人の予選を勝ち抜いた10名が大舞台に立ち、
制限時間のなかでひとつの噺を披露します。

概要を知ったこの時点で、思ったより大きな大会なのだと認識。




出場者さんは、医者やデパート勤務、劇団員、主婦など、
その素顔はさまざま。
披露するお噺は、古典落語からオリジナルまで幅広く、
頭に次々と景色が浮かんでくるように楽しいものばかりでした。

何事もプロの舞台を体感することが一番なのですが、
アマチュアさんの発表もまた、とても素敵でいつも刺激を受けます。
こちらの主観もなく、身ひとつの表現で見る者を引き寄せる強さ。
また、制限がないからこその自由な表現は、
慣れや立場に甘えると徐々に薄まってきてしまうものでもあり、
そこをキープしたまま、浮かび続けることの大切さを教えられます。

落語は何度か聴きにいったことがありましたが、
審査員の的確なコメントは、これまであえて教えてもらうことはなかった
落語の奥義を、また少し知れたようでもありました。



しかしこの日も、噺のなかでのうどんをすする仕草がすばらしく。
すっかりお腹が減って終演後に会場を出ると、どこからかいい匂い。
みると、池田の街を代表する日清食品が、
協賛会社として来場者にチキンラーメンの振る舞い屋台を。
これも粋な計らいってやつかい?と、ありがたくラーメンをいただき、
つるりとすすり、身も心もすっかり温かくなって帰ったのでした。


川原 由美子





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