2016年2月9日火曜日

H i n t ?

先日、とある宴の席で
海外でも活躍する曲芸師さんとお話をさせてもらう機会がありました。

「点」を見極めることが大切だとその方は言う。



宴のテーブルを端に寄せて、実演が始まりました。

例えば、踏ん張って立っている相手がいるとして、
そのまま押しても相手は簡単には倒れない。
でも、相手の体の、ある「点」と、
その空間に存在する、ある「点」を見定めて相手に軽く力を加えると、
相手はあれよあれよと倒されてしまった。

とか、自分が正座でお辞儀をする姿勢をとってみて、その体勢のまま、
背中の上に自分より30kg以上は重い男性が正座をするのは、
普通に考えるとちょっと難しい。
でも、指示された、ある「点」とおでこの中心を結ぶ線を強く意識して支えると、
私はその男の人を自分の背中に完全に乗せることができてしまった。

さらには、服のシワさえも弱点になり、
もっと言えば服の模様(ボーダーやチェックなど)の線も隙だらけらしく、
そのシワや線をその方が手でサッと斬る仕草をすると、
相手はたちまちバランスを失い、後ろによろめいてしまう。
ボーダー大好き... 気をつけよう。


私たちは、目の前で繰り広げられることの数々に驚いて、
では逆に、相手に倒されないようにするにはどうしたらいいかを尋ねてみた。
そうすると、「力を抜くことだ」と教えてくれた。

???

再び実演が始まりました。

自分が力を入れた状態でいると、
相手はその力を利用して倒しにかかることができる。
でも、自分が力を抜いてだらーとしていると、
相手のかけてくる力をすり抜けることができて倒せないというものだった。

もちろん誰でもすぐ出来ることばかりではなく、
これはその方が積み上げてきた意識と勘と経験があってこそ。
なんだか変な話をしているように思われるかもしれませんが、
とても実感したのは、これが日々の自分の生活にも置き換えられるということ。


力を抜いて生きる。
力んでいると、肩もこるし、敵もできるし、不自然なことも生じてくる。
それは、仕事や人間関係などで、もう日々感じていることだった。

でも、力を抜くということを無意識にすること、これなかなか難しく。
そうやって意識している時点で、すでに力が入ってる。
歯医者でも、リラックス〜と言い聞かせた数秒後に、いつも肩はがちがち。


のんきに生きるのにも、コツがいるのかもしれません。


川原 由美子





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