2017年4月2日日曜日

021.ドーナツ

「おばあさん。もういちど、
若くなってみたいと
思いませんか?」

おばあさんは、驚いて、
ためらうことなく答えます。

「いいえ」

その答えはやさしいけれど、
決然としていました。

「わたしにも、
若いときがあったのよ。
わたしの分の若さは
もうもらったの
今は年をとるのがわたしの番」

「もういちど、
同じ道をたどってどうするの?
だってわたしに用意された道は、
今通ってきたこの道ひとつなのよ」


パリのおばあさんの物語
著者:スージー・モンゲルステンヌ、
セルジュ・ブロック











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