2016年1月20日水曜日

林檎転生日記 6



で、そこに書かれている要旨は結局こうだった。

「こんなサイトを必死で閲覧してる時点で、あなたは立派なナルシスト」


ほおーー。なるほど。中々キザなサイトである。きっと管理人は生粋のナルシストなのだろうな。ふむふむ。


とはいえ、サイト上の文字、2万飛んで6文字の文章をメシもろくに食わず
必死で読みふけった私ももはや一端のナルシストであると、認めてもらった。これで私もナルシスト。当初の狙いである、太宰治のような独白的な文章を書くことができるようになったのだ。嬉しい。楽しい。大好き。


さぁ、ものは試しと私は早速タイプライターの前に腰掛け、私小説、物事の真髄を鋭く描き出しながらさも独白的で、尚且つ教訓の要素もふんだんに盛り込まれている私小説、読んだ者が皆口を揃えて「この人の書くこと、ふっかいわー」と言わしめるような私小説を書き殴ったろうと思って書き殴り始めた。文字を殴り飛ばした。湯呑みで茶を飲んだ。サイコロを転がした。明日は今日の風。宮沢りえは綺麗だね。僕を忘れないで。犬の逆立ち猫に小判。



僕は書いてる途中で小さく言った。


「あっ」


続く

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