行商で住宅街を回っていた。
中々道幅が狭く、家と家との間隔も狭小で、夜になって空を見上げても、屋根が出っ張ってせっかくの晴れ間から星が見えづらい。
どうやら星座が出ているようだってことは伺いしれるのだが、その全貌は到底見えそうになかった。
そんなきれぎれの星空の下、夜20時まで回って、最後のお客さんが残りのリンゴを全て買ってくれた、と聞いた瞬間、おれは嬉しさと安堵感でふっと力が抜けた。
そいでなんとなく空を見上げた。
すると、さっきまで端々だった星座の全てが見えていた。
あれ?なんで?どうして?ってあちこち立ち位置を変えて見上げてみてもやはり見えるのである。
久し振りに肩のコリが無くなったような気がした。
沢口 裕
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